企画展

誌上のユートピア 近代日本の絵画と美術雑誌 1889-1915

Utopia of Images and Letters Japanese Modern Art and Art Magazine, 1889-1915

 19世紀末から20世紀初めにかけての世紀転換期は、大きな変革のときであると同時に、情報化社会の先駆けともいうべき時代でした。ジャーナリズムの展開、旅行の流行など人々の享受する世界は飛躍的に拡大していきました。この時代に生きた芸術家にとって大きな役割を果たしたのは「美術雑誌」でした。当時刊行された多様な「美術雑誌」は、目覚しい印刷技術の発展を背景に、次々と世界各国で出版され、豊富な図版と新しいデザイン感覚により、際立って芸術的な質を備えていたのです。

 「誌上のユートピア」と題する本展は、この転換期に新しく生まれた近代日本の主要な美術雑誌を紹介すると共に、その芸術的価値を再認識し、同時代の近代絵画にも注目しながら、それらが相互に共鳴するさまをご紹介しようとするものです。

 導入部において『パン』『ユーゲント』『ヴェル・サクルム』などヨーロッパの美術雑誌の数々をご紹介すると同時に、時を同じくして日本においても出版された『明星』『方寸』をはじめとするさまざまな雑誌・図書・図案集などを通し、同時代意識に裏打ちされた新しい表現が生み出されていった芸術的展開を示します。この展開は、時には江戸趣味に回帰するような曲折を経て、ついには象徴主義の濃密な気分を背景に抽象的で実験的な表現までもが大正時代前半に追及されていったことを明らかにします。油彩画約20点、日本画約30点、版画約50点、ポスター約5点、雑誌約20件、その他総計約180点を展示予定です。

 19世紀末のグラフィックアートという華やかな誌面と交感し、触発されながら、同時代の芸術家たちがどのように「ユートピア(理想郷)」を追求したのか、その多様で豊かな成果に触れる絶好の機会となることでしょう。

基本情報

[会期]
2008年6月14日(土)〜2008年7月27日(日)
[会場]
愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
[開館時間]
10:00〜18:00
金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
[休館日]
毎週月曜日(ただし7月21日[月・祝]は開館)、7月22日(火)
[観覧料]

一般 1,000(800)円
高校・大学生 700(500)円
中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金

[主催等]

[主催] 愛知県美術館、読売新聞社、中京テレビ放送、美術館連絡協議会

[後援] 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会

[協賛] ライオン、清水建設、大日本印刷

見どころ

図録

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誌上のユートピア 近代日本の絵画と美術雑誌1889-1915

編集:神奈川県立近代美術館
デザイン:桑畑吉伸
制作:コギト
発行:美術館連絡協議会

「眼の驚きと熱狂─美術雑誌の語ること」山梨俊夫
「隠された誌上のユートビア」水沢勉

カタログ
Ⅰ章 ヨーロッパにみる美術雑誌の隆盛
Ⅱ章 白馬会周辺の展開
Ⅲ章 京都の浅井忠と神坂雪佳
Ⅳ章 『方寸』と創作版画の出発
Ⅴ章 伝統と変容
Ⅵ章 教養とデカダンス
「アート・ディレクター北原白秋」橋秀文
「転換期美術の混淆と伝播」鯨井秀伸
主要作家解説
関連年表
主要参考文献

関連イベント